月明かり英② 凛恋さんが来て、私は少しはしゃぎすぎた。 それからしばらく、気分が盛り上がったり、不安定になって、友花に心配をかけた。 人並みに楽しむことすらできないのか、と落ち込む。 友花はさりげなく元気づけようと... 2024.08.15月明かり
月明かり友花② 水が滴っている英の髪をもう一度拭き直すと、私はドライヤーのスイッチを入れた。 熱すぎないように、手を添えて乾かしていく。「熱い?」 私が聞くと、「大丈夫」と英が答えた。 きっととても疲れているんだろう... 2024.08.15月明かり
月明かり英① 友花が仕事に行ってしまったあと、私は朝のぶんの薬を飲んだ。 一包化された薬は全部で7錠。まとめて口に放り込んだ。 子どもの頃は1つずつでもなかなか飲めなかったのにな、と思いながら、多めの水で流し込む。... 2024.08.15月明かり
月明かり友花① ため息なのか、うめき声なのか。 かすかな声で目が覚めた。 私は体を起こし、英の顔を覗き込んだ。 涙が枕を濡らしている。 また、いつものやつだ。 こうなってしまったら、私にはなすすべもない。「友花……、... 2024.08.15月明かり