かなで

札幌近郊のこの街の病院で、私と彼女は出会った。　新年度が始まったばかり、北国では雪が解けきって間もない頃である。　ここに引っ越す前の私は過労からのうつ病と診断されていて、一年ほど投薬治療を受けていた。...

冷めた紅茶をテーブルに載せたままあなたの去った暗闇に蹲るひとり静かに雨の音聞いている夢を見ていた気怠さだけが残ってるあなたの言葉を忘れないように私の祈りが届きますように二人のひかりを消さないようにひと...

ふりむかないと知っていてふりむかせたかったどうしても何をしてでも名前を呼んで　魔法をかけて　嘘を並べてもやっぱりあなたはふりむいてくれなかったねそれでも私はあなたの背中に向けて全ての想いを捧げ持ったま...

まるで猫みたいににゃーおと鳴いてそして丸くなって眠る私の週末朝のスズメの声で目覚める大きく背伸び　深呼吸甘いミルク飲んだら散歩しよう赤いチェックのワンピース裸足に木のサンダルで今頃あなたはどうしてるか...

あなたのことなんかもうキライになっちゃうよ電話もくれないの　おかげでゆううつ　ブルーな毎日こんなんじゃダメ　あなた以外のことに夢中になろうとしてもどうしてだろう　つまんないことだらけ遠くにいても近くに...

こんな真夜中ふたり黙る星の下で痛むような心は私だけのものだねまるで呼吸する音聞こえるほど静かあなたの白い横顔　私だけのものだねなのにあなたは話しはじめる昨日会った友達のこと　今気に入っている歌のこと頷...

水の流れにうつる　移りゆく時の姿あなたも私もたぶん　明日はここにいない泣かないで　いつも全ては過ぎてゆくけれどさよなら　流されるまま　またいつか海原で会えるあなたを失っても私は生きてゆけるわ絶え間ない...